インフレの卵
■銅をはじめとした非鉄価格の高騰を受けて、非鉄を原材料に用いる業界に危機感が広がっている。川上に位置する非鉄製錬業界は高収益を享受しているが、電線や亜鉛めっき鋼板、アルミ缶などを手掛ける各業界は製品価格へのコスト転嫁という課題に直面。地金価格に連動した値決め方式などによって、コスト転嫁は可能とされるものの、アナリストは値上げ時期のずれ込みや販売面への影響などのリスクがあるとしている。
日本電線工業会の富井俊夫会長(昭和電線ホールディングス社長)は11日、銅価格高騰を受けて緊急記者会見を開き、原料高の影響について「ほぼ全ての製品において、各社の企業努力だけで吸収することは到底不可能」と指摘。「各社の死活問題にもなっている」として、需要家に対して値上げへの理解を求めた。 電線工業会の試算によると、3月末から5月11日までの上昇幅をトン当たり30万円とした場合、業界のコスト上昇額は1カ月当たり200億円超に達する。このため従来から厳しい環境にある汎用電線、顧客の製品が激しい価格競争下にある機器用電線は「特に厳しい状況に立ち至る」と富井会長は訴えている。
25日のロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月物終値はトン当たり8099ドルで、11日には8600ドルの過去最高値を記録。亜鉛も11日に3825ドルの最高値、アルミは11日に17年ぶりの高値3185ドルを付けた。 銅地金の05年国内需要120万トンのうち、電線向けは75万トンを占める。亜鉛地金の国内需要46万トンのうち、亜鉛めっき鋼板向けだけで約22万トン。アルミニウムの国内需要411万トンのうち、輸送用機器向けは166万トン、土木建築向け67万トン、金属製品52万トン、製鋼用14万トンなど。
アルミ業界で原料高による影響が明確に示されたのが、日本軽金属の05年度決算。同社は地金から最終製品まで一貫した事業を展開しているが、川下の建材部門は営業赤字に陥った。平塚善郷副社長は決算会見で「上流は良かったが、最終製品の値上げが遅れた」と説明。原料高が続くと「事業形態にも影響してくる」とみている。 住友軽金属は「主原料は自動的に転嫁される」(可知隆志常務)としているが、原燃料のコスト負担が20数億円発生するうえに、一部の関連加工会社は「昨年後半からの地金高を十分転嫁できない」(同)という。可知常務も「これだけ価格が上がると、鉄や樹脂といった代替材料の検討が出てくる」と警戒している。
地金連動型の値決めや加工費用を受け取る方式など、市況の変動リスクを避ける対策は講じられているが、それでも価格の高騰が続けば、製品によっては「最終ユーザーの購入意欲がそがれる可能性はある」(大和総研の村田氏)。また亜鉛では「鉄板用の代替は起こりにくい」(日本鉱業協会の吉川廣和会長)一方、「銅は価格高騰が続くと(ほかの素材に)実際に代わる」(同)との警戒感も強まっている。 「最終製品は競争相手も皆、値上げに走るだろう。値上げしないと(自社がコスト分を)食らってしまう」(日軽金の平塚副社長)との声が出始めており、これらの業界では、製品価格の値上げとともに製品代替のリスクなどにも頭を悩ませる状況が続きそうだ。(ブルームバーグ)
※もうこれ以上非鉄をイタぶらないで。
日本電線工業会の富井俊夫会長(昭和電線ホールディングス社長)は11日、銅価格高騰を受けて緊急記者会見を開き、原料高の影響について「ほぼ全ての製品において、各社の企業努力だけで吸収することは到底不可能」と指摘。「各社の死活問題にもなっている」として、需要家に対して値上げへの理解を求めた。 電線工業会の試算によると、3月末から5月11日までの上昇幅をトン当たり30万円とした場合、業界のコスト上昇額は1カ月当たり200億円超に達する。このため従来から厳しい環境にある汎用電線、顧客の製品が激しい価格競争下にある機器用電線は「特に厳しい状況に立ち至る」と富井会長は訴えている。
25日のロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月物終値はトン当たり8099ドルで、11日には8600ドルの過去最高値を記録。亜鉛も11日に3825ドルの最高値、アルミは11日に17年ぶりの高値3185ドルを付けた。 銅地金の05年国内需要120万トンのうち、電線向けは75万トンを占める。亜鉛地金の国内需要46万トンのうち、亜鉛めっき鋼板向けだけで約22万トン。アルミニウムの国内需要411万トンのうち、輸送用機器向けは166万トン、土木建築向け67万トン、金属製品52万トン、製鋼用14万トンなど。
アルミ業界で原料高による影響が明確に示されたのが、日本軽金属の05年度決算。同社は地金から最終製品まで一貫した事業を展開しているが、川下の建材部門は営業赤字に陥った。平塚善郷副社長は決算会見で「上流は良かったが、最終製品の値上げが遅れた」と説明。原料高が続くと「事業形態にも影響してくる」とみている。 住友軽金属は「主原料は自動的に転嫁される」(可知隆志常務)としているが、原燃料のコスト負担が20数億円発生するうえに、一部の関連加工会社は「昨年後半からの地金高を十分転嫁できない」(同)という。可知常務も「これだけ価格が上がると、鉄や樹脂といった代替材料の検討が出てくる」と警戒している。
地金連動型の値決めや加工費用を受け取る方式など、市況の変動リスクを避ける対策は講じられているが、それでも価格の高騰が続けば、製品によっては「最終ユーザーの購入意欲がそがれる可能性はある」(大和総研の村田氏)。また亜鉛では「鉄板用の代替は起こりにくい」(日本鉱業協会の吉川廣和会長)一方、「銅は価格高騰が続くと(ほかの素材に)実際に代わる」(同)との警戒感も強まっている。 「最終製品は競争相手も皆、値上げに走るだろう。値上げしないと(自社がコスト分を)食らってしまう」(日軽金の平塚副社長)との声が出始めており、これらの業界では、製品価格の値上げとともに製品代替のリスクなどにも頭を悩ませる状況が続きそうだ。(ブルームバーグ)
※もうこれ以上非鉄をイタぶらないで。

